自己紹介とか

プロフィール

田舎の中核病院ではたらくアラフォー病理医。資格は病理専門医、細胞診専門医、分子病理専門医。ウイスキー検定2級。

画像は脳腫瘍です。WHO2016におけるgemistocytic astrocytoma, IDH-mutantです。形態的に特徴的な、赤い細胞質に偏在する核(核が細胞の真ん中に位置しない)を有する細胞が増殖しています。WHO2016では形態と免疫組織化学、遺伝子検索の折衷でしたが、WHO2021では遺伝子の検索がほぼ必須になり、消えてしまった分類と言えるでしょう。

病理を学びたいと思った医学生・研修医の方へ

現状の医師国家試験において、病理がわからないと解けない問題が合否を分ける状況には無いと思います。また、研修先や希望する進路にもよると思いますが、臨床研修制度においても、研修医に病理の理解は必須とは言えません。

しかしながら、思考のツールとして病理診断や病理総論の理解をある程度しておくことは、国家試験を解く上で、あるいは目の前の患者の病態を考える上で、とても有用だと思います。試験問題を通じて、病理への理解を深める場所になればいいなと思います。

写真は消化管に生じたGastrointestinal stromal tumorです。免疫組織化学でCD34, c-kit (KIT) の発現を確認しています。

病理医になる専攻医の先生方へ

それなりの規模の病院であっても、病理医としての専門研修をするには、特定の臓器について勉強する機会に乏しいのが現状だと思います。自分もそうです。病理を志す同年代の医師はまわりに少ないし、上司は年が離れているし。専門研修医のときは「自分がやっていることは間違っていないだろうか」と不安でした。実際、試験前に腎炎の診断をしたことはなかったし、今の勤務先で軟部の悪性腫瘍を診断する機会はほとんどありません。専攻医の先生方の不安を少しでも解消できるような、試験問題の解説や典型例の提示に特化したスペースにしようと思っています。

写真は索状配列を示し増殖する肝細胞癌です。脂肪変性を認めます。